とある調査結果によると、夫(妻)の海外駐在に帯同して海外暮らしをしている、いわゆる駐在妻(夫)のうち、9割は赴任前に日本で仕事をしていたそうです。
その駐在妻のうち、7割以上の人は日本を離れる際に仕事を退職して、現地(海外)では仕事をしていないと回答しています。
もちろん、「憧れの専業主婦!」「海外でカフェ巡りをしたい」「忙しい毎日をちょっと休憩」そのような前向きな気持ちで退職して駐在妻(夫)になる人は多いのかもしれません。
しかし、このように思っている人もいるのではないでしょうか。
本当は仕事辞めたくなかった
帰国後のキャリアが不安・・・
最初の半年は良かったけど、もうカフェは巡りつくしたし、Netflixは見つくした・・・
私うりは、20代で初めて駐在妻としてアメリカに住んだ時、上記全て思ったことがあります!
人間、時間があるとモヤモヤと不安になったり不満が出てきたりしますよね。こういった不安を解消して日々にメリハリを持たせるためにも、私は駐在妻(夫)の就労を推しています。
とはいえ日本とは勝手の違う海外。実際に仕事を探すにはどうすればいいのか、そもそも働けるのか?働くことを推す理由などについて、本記事では私自身の経験を踏まえてお伝えできればと思います。
さて、令和の駐在妻たちよ。
駐在妻だからと言って仕事やキャリアを諦める必要は全くありません。
むしろキャリアアップやキャリアシフトのために動くチャンス期間と捉え、新しいことにも積極的に挑戦してみましょう!
本気の海外就活 in カナダについてはこちらの記事にまとめましたのでぜひお読みください。
「働く」以外の方法で、帰国時のキャリア再開や継続を目指して「駐在妻期間に何ができるか?」をお考えの場合はこちらの記事も是非併せてお読みください!
駐在妻が仕事をする3つのメリット
駐在妻(夫)が働くこと、つまり駐在地で家以外のなんらかの団体に所属して活動をすることは、いいことが沢山です!
1. メンタルウェルビーイング
人にもよりますが、駐在妻の生活はその言葉の響きほどキラキラしていません。
鬱気味になって帰国する人も一定の割合でいます。
なぜか?
端的に言うと、これまで積み上げてきた「自分」を構成している要素を、いくつか手放して駐在に付いて来ているからです。
それは仕事かもしれないし、友人との関係、実家の家族、もしくは場所が変わると継続が難しい系の趣味かもしれません。
「自分」を作る要素がたくさん欠けてしまうと、「私って何だっけ?」とアイデンティティ・クライシスを起こし自分に自信が持てなくなってしまいます。
そういう意味では、日本で充実した生活を送っていた人ほど、駐在妻(夫)の生活とのギャップを感じやい傾向があります。
私はやることがないことにパニックになりました。
でもね。そういう人は、「何かしたい」というパワーを持っていると思うんです。
「日本での私」と全く同じじゃなくても、「駐在地での私」を作って、現地での生活を充実させていきましょう!。
本記事では他のメリットも鑑みて仕事をすることを推していますが、社会との繋がりという意味ではボランティアや習い事でもいいですね!
2. 経済的余裕
一般的に日本企業からの駐在員というのは現地での生活がある程度保証されていますが、駐在妻(夫)が働くことで、更なる経済的な余裕が生まれます。
- 旅行へ行って駐在地と周辺国を200%楽しむ
- 定期的にお洒落なレストランでディナーを楽しむ
- 子どもが興味を持ったら習い事を
など、先立つものがあれば、現地での生活を更に楽しむことができますね。
3. キャリアの継続
駐在というのは一般的には日本企業からの海外派遣であり、任期付きのことが多いかと思います。
その場合はやはり日本にいつか帰ることが前提になっていますよね。
すると、駐在前に日本で働いていた人は、帰国後の暮らしを考えた時に自然と「働いている自分」をイメージするのではないでしょうか。
そうすると、駐在妻期間のブランクが少し不安になりませんか?私はなりました。
2年も第一線を離れていたら、復帰できるだろうか・・
しかし、実は比較的時間に余裕のある駐在妻(夫)期間というのは、復職時にプラスアルファを持ち帰れたり、キャリアシフトができたりと、チャンスが沢山あります。
帰国した時に自信を持って復職できるよう、駐在期間中に磨きをかけましょう!
駐在妻が仕事をする時に注意すること
1. 就労可否を確認する
日本企業の海外赴任の際には、企業が社員を海外に派遣する(つまり、会社の都合で行かせる)が今も大多数なのではないでしょうか。
そのため、ビザ取得は海外赴任をする人の勤務先が手配してくれる場合がほとんどでしょう。
その際、国によって、赴任の主となる人のビザの種類によって、配偶者が取れるビザの種類が変わってきます。
ビザの種類は海外で暮らす場合に本当に重要で、種類によって、現地で働けたり働けなかったりします。
私は20代の時にはアメリカで、J-1ビザだった夫の配偶者ビザでJ-2という種類のビザだったんですが、このビザタイプは就労許可を申請することで働くことができ、アメリカ生活の後半は自分も現地企業で働いていました。
30代で夫のカナダ駐在に付いて来ている今は、夫は「雇用主限定就労許可」ビザ、私は「雇用主を限定しない就労許可」ビザを、夫の会社が手配してくれました。(現地で働くかもしれないか聞かれてYESと言った。)
つまり、一概に駐在妻(夫)と言っても、日本と同様に「なんかちょっとバイトでもしようかな。」とできるケースと、現地での就労はできないケースがあります。
また、仮にビザの種類上は働けるとしても、駐在員の会社規定によって配偶者は働けないとかがあるかもしれません。就労を希望している場合には、駐在員の会社にも必ず確認を取るようにしましょう。
2. 無理をしない、させない
もしこの記事を読んで下さっている、駐在員(連れて来た側)の人がいたら、ぜひ心に留めて欲しいことがあります。
それは、「働いてみなよ!」ということを、決して軽いノリで言わないで欲しいのです。
善意で言ってくれていることは分かっていますが、多かれ少なかれこれまでの仕事を続けられる駐在員と、ゼロから始めなければならない駐在妻(夫)とでは、初めの一歩の重みが全然違うのです。
ましてや子どもがいたら、子どもが慣れるのが最優先です。
英語は一応支障なくて、アメリカでの就活・就労経験もある私ですが、夫が「君も仕事したらいいよ!そうしたら育児にも余裕が生まれるョ☆」と善意から曇りなきまなこでアドバイスをしてくれ、「簡単に言うな!」と大噴火したことがあります。
駐在妻の仕事はこれがおすすめ
駐妻キャリアフローチャート
現地で仕事を見つける
現地で働くと、現地で同僚ができたり、英語を使う機会があったりと、駐妻(夫)生活にメリハリが生まれます。
以下では4通りの働き方をご紹介します。
順番に解説していきますね。
現地企業就職
「働く」というイメージに最も近いながらも、一番ハードルは高いケースになります。
実際に自分がしてみた感想は、かなり戦略的に、徹底的に準備をしないと戦えません。
海外のキャリア系インフルエンサーのコンテンツを見ていると、コロナ後の人材確保がいったん落ち着いて、結果転職市場は現地の人でもかなり厳しくなっているのが2024年、という印象です。
まずは、これまでのキャリアの棚卸をし、LinkedInにプロフィールを作ることから始めましょう。
私がカナダで就職活動をした時の記録を残してみましたので、
海外で就活してみよう!という方はぜひともお読みください。
戦略を全て丁寧に書いたら1万字を超えたので、別記事にしました。
本気でやるなら上の記事に書いてあること、全部やったほうがいい・・・この道は修羅の道だZE
なお、現地企業で就労する場合は、現地の税制に従って、稼ぐ金額にもよりますが納税の義務が発生する場合が多いでしょう。また、一旦パートナーの扶養に入って赴任に来ている場合には、扶養が外れてしまう限度額があるか等、駐在員の勤務先に確認した方がいいです。
現地で日本企業就職
同じ現地就職ではありますが、「日本」「日本語」が絡むだけで、現地の人との競争が発生しない、またはアドバンテージを持つことができます。
また、日本企業であっても、「現地で就労経験を積んだ」ことに変わりはないので、次に現地で転職をする際や、帰国時/帰国後に転職をする際にも、かなり評価されます。
一方で、日本企業がない国や地域も海外にはありますし、あってもポジションが限られているところに日本人の応募は多数来ることから、待遇面では現地企業よりは劣るケースが多いです。
下の図は、「日本」「日本語」を活かして働く場合の、就職難易度です。
私はカナダで今は日本と一切関係ない仕事をしているけど、アメリカ時代にはApp〇e iTu〇esの日本のお客さん向けカスタマーサポートを、リモートでやっていたりしました。
海外で日本関連の職を探す場合には、現地のJobサーチエンジンやLinkedInで「Japanese」と求人検索してみる他、日本の転職エージェントの中でも海外案件を扱っているエージェントがいくつかあるので以下にご紹介しておきます。
フリーランス
企業に所属をする以外にも、フリーランスとして単発もしくは継続で仕事を受注する、という方法もあります。
日本では、次に紹介するクラウドワークスが最も有名ですが、同様のプラットフォームがアメリカにもあります。
最も広く使われているのが、Upworkです。
Upworkの中には、日本語を活かしたタスク(翻訳、日本語で書かれた文章の校閲など)が数多く掲載されています。
- フリーランスの仕事に慣れるためにも日本語関連から始めたい
- 将来日本に帰国した時にも継続できるフリーランスの仕事を見つけたい
という方は、単価は高くはないですが、Upworkで日本語関連の仕事から始めてみるのもいいでしょう。
日本語チューター
こちらもフリーランスの仕事ではありますが、Wyzantは「チューター」つまり家庭教師のような仕事に特化したプラットフォームになります。
(※)アメリカ在住以外で登録できるかは未確認
確認してみたところ、物価の違いもあるかと思いますが、日本語のチューターで時給は$20以下~$50以上の設定のチューターさん達が登録されていました。
単に日本語チューターとするよりも、
- ビジネス分野に特化した日本語チューター
- アメリカで日本語を学ぶ子供向けのチューター
など細分化して、専門性をアピールすることもできます。
私もカナダで娘が現地校に通い出したのですが、日本語を勉強する時間があまり取れなくて、ひらがなカタカナが一向に進まないのに悩んでいます・・!日本語チューターさんが、私が家事をやっている間に楽しく教えてくださったら正直有難いです。
アンケート回答
「就労」というと大げさで、まとまったお金にはならないですが、持て余している時間でお茶代くらい自分で確保したいわ、という駐在妻には、ポイ活的なアンケート回答もおすすめです。
Paypalなどで支払い(還元)をしてくれるので、モバイルウォレットを持っていれば実店舗でも使えますし、オンラインショッピングの際にPaypalで買い物をすることも可能です。
Survey Junkieは、アメリカ/カナダ/オーストラリア/イギリスに居住している18歳以上であれば登録ができます。
Opinioninnも同様のサービスで、Paypalで支払いをしてくれる上に、アンケート回答者として登録をすると、サインアップボーナスが$10ぶんもらえるようです。
FAQを見た限りでは、居住国の制限は見当たりませんでしたが、私も登録をしてみようと思うので、また気付いた点がありましたら追記しますね。
日本から仕事を受注する
日本から仕事を受注する場合には、企業とフリーランスを繋ぐプラットフォームを利用するのが一般的です。
在宅ワークならクラウドワークス↑「働きたいかたはこちら」からメールアドレスを入れて登録できます。
「ランサーズ」もクラウドワークスと同じサービスを提供していますが、私自身がクラウドワークスを利用していて利用しやすいと思っているので、クラウドワークスをおすすめしています。
学んでから実務、という選択も!
ここまで、駐在妻(夫)が海外からすぐに働く方法をご紹介してきました。
しかし、中には「しっかり学んでから新しい仕事に挑戦したい」という方も多くいらっしゃると思います。
そういう方には、WebライティングやWebデザインといった、場所や時間に捉われず海外からでも活躍できる仕事のスキルをまずは習得することをおすすめします。
私のお勧めするオンラインスクールSHElikesについて、下の記事でご紹介していますのでぜひご一読下さい。
また、上記のSHElikesはどちらかというと手に職系、副業系のスキルを身に付けるサービスですが、帰国後の復職を見込んで、ビジネス系のスキルを身に着けたい場合には、Udemyなどオンラインで単発で必要なコースだけを受講する方法も、効率が良いと言えます。
Udemyホームページ例えば今注目のプログラミング言語であるPythonなどは、スキルとして使えるか使えないかですし、国内で使える人はまだまだ少ないので狙い目と言えます。
駐在妻の仕事【まとめ】
- 駐在妻(夫)が働くことは、メンタルヘルス、経済的余裕、キャリアの継続の観点からメリットが大きい。
- ただしビザの種類や会社規定で働けない場合もあるので注意。
- 働く場合には、今持っているスキルを活かす仕事をするもよし。フリーランスや帰国後の副業を目指して新しいスキル獲得に挑戦するもよし。
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