駐在妻、または駐妻というと、どのようなイメージを持ちますか?
海外駐在に連れて行ってもらえるなんて羨ましい!
「英語が上達する」「羨ましい」「勝ち組」そのように思う方もいらっしゃるかもしれません。
駐在妻の生活は本当にそんなに良いものでしょうか?
20代と30代で、それぞれ「妻」「母」という立場で夫の海外駐在帯同を経験した筆者(ちなみに小学生の時にも父の海外駐在に帯同した)が、駐在妻の楽しい部分としんどい部分を紹介します!
駐在妻のQOL(生活の質)向上に役立ちそうなサービスもご紹介します!
コロナ禍を経た海外駐在の動向
統計で残っていた平成元年からこちら基本的に右肩上がりで推移していた「海外在留邦人」ー 海外に住んでいる日本人(永住者や留学生も含む) ー の人数ですが、新型コロナウィルスによって帰国をしたり、新しく行く人が減った影響で、令和2年(2020年)、令和3年(2021年)と、減少が続いています。
逆に言うと、コロナの規制が各国で少しづつ緩和されている今、ビザ発給も徐々に通常運航に戻ってくるのを受け、日本企業は海外駐在員の派遣を再び積極的に行うフェーズに入ることが予測されます。
「いきなり来月から駐在妻(夫)になることになった!」ということは、十分にあり得ます。
駐在妻(夫)になりたい?
配偶者に「海外に行きたいからチャンスがあったら積極的に応募して!」とアピールしておきましょう。但しパートナーに海外志向が全くない場合には喧嘩の原因になるので、駐在ではなく毎年海外旅行に行くとかを目指した方がいいのではないかと思います。
駐在妻(夫)の立場とは?
良くも悪くも駐在員の付属
駐在妻(夫)の立場とは、良くも悪くも駐在員の「付属物」というと言い方が悪いですが、まあ帯同家族という扱いです。
良い点としては、これが駐在妻(夫)が羨ましいと言われる所以かと思いますが、会社の手厚いサポートがあります。
例えば現地での生活を充実させるため語学学校に通いたい場合には、日系企業であれば会社が配偶者の分まで費用負担してくれるケースが多いです。
反対に考えようによっては悪い点としては、駐在員の仕事の都合が最優先となることです。
出張の都合とかはまだいいですが、例えば妊娠して、あと2ヵ月で出産、産院も押さえてある!という時に、突然帰任の辞令が出たりしたらどうなるか。
日本だったら、ご主人が転勤になっても「じゃあ私と赤ちゃんは生まれて少し落ち着いて方行くね。」とできますが、配偶者ビザである以上、主となる駐在員のビザが失効すれば、配偶者のビザも失効になり、健康保険や住む家、その他もろもろが受けられなくなってしまうということも考えられます。
妊娠後期で帰国というのは実は本当に聞いたことがあります・・・
最近は柔軟な働き方やES(従業員満足度)など、従業員一人一人の事情にある程度融通を利かせてくれるとは思いますが、「出産前の帰任」「子どもの卒業前/入学直後の帰任」となった際にも、家族に選択権があまりないというのは考えようによっては振り回される生活と言えます。
駐在妻に英語は必須?
英語がある程度できると、現地での活動の幅が広がるので、プレ駐妻(夫)でも現役駐妻(夫)でも、英語力を磨いておいて損はないです。
ただし、バイリンガルを目指す必要はありません。
駐在妻の英語は、「必要な場面で」「適切な会話」をできるようになることが理想的です。
自分が留学に来ている場合などと違って、毎日学校で会う友達と出なく、場面場面で会う人との短時間のコミュニケーションがメインになるので、練習しておけば怖くない、逆に練習しておかないと「何も言えなかった・・」「今の返し大丈夫だったかな・・」などと思い返して不安になったりします。
そんな駐在妻におすすめの英会話教室はこちら
駐在妻の必要な場面にフォーカスして、その場面で必要な英語を教えてくれる&練習させてもらえます。
今の時代インプットは無料のコンテンツで十分だと個人的に考えていますが、アウトプットは、「自分が必要な場面」を良く知っている人の前で練習させてもらうことがとても大事です。
駐在妻は働ける?
日本企業の海外赴任の際には、企業が社員を海外に派遣する(つまり、会社の都合で行かせる)が今も大多数なのではないでしょうか。
そのため、ビザ取得は海外赴任をする人の勤務先が手配してくれる場合がほとんどでしょう。
その際、国によって、赴任の主となる人のビザの種類によって、配偶者が取れるビザの種類が変わってきます。
ビザの種類は海外で暮らす場合に本当に重要で、種類によって、現地で働けたり働けなかったりします。
私は20代の時にはアメリカで、J-1ビザだった夫の配偶者ビザでJ-2という種類のビザだったんですが、このビザタイプは就労許可を申請することで働くことができ、アメリカ生活の後半は自分も現地企業で働いていました。
30代で夫のカナダ駐在に付いて来ている今は、夫は「雇用主限定就労許可」ビザ、私は「雇用主を限定しない就労許可」ビザを、夫の会社が手配してくれました。(現地で働くかもしれないか聞かれてYESと言った。)
つまり、一概に駐在妻(夫)と言っても、日本と同様に「なんかちょっとバイトでもしようかな。」とできるケースと、現地での就労はできないケースがあります。
これは、現地でどんな生活をするかに大きくか関わってきます。
就労許可がある場合
選択肢1:現地企業で働く
現地で働くと、現地で同僚ができたり、英語を使う機会があったりと、駐妻(夫)生活にメリハリが生まれます。
また、基本的に海外駐在中は駐在員である方の収入で生活して行くことになると思うのですが、帯同している駐在妻(夫)にも収入ができることで家計に余裕ができ、ちょっといい外食をできたり、滞在中の国や周辺国への旅行を楽しめたりと、精神衛生上いいことが沢山あります!
更に、帰国後再就職を考える場合には、海外での勤務経験は評価される場合もありますので、ご夫婦だけ(子どもがいない)の赴任で、就労可能なビザをせっかく持っている場合には、フルタイムでもパートタイムでも何かしら挑戦してみることを個人的にはおすすめします!
現地企業で就労する場合は、現地の税制に従って、稼ぐ金額にもよりますが納税の義務が発生する場合が多いでしょう。また、一旦パートナーの扶養に入って来ている場合には、扶養が外れてしまう限度額があるか等、確認した方がいいです。
選択肢2:リモートで日本の仕事をする
コロナ禍を経て急速に広まったリモートワーク。オンラインのプラットフォームを使えば、日本企業から日本語で仕事を受注して、日本語で仕事を行うことも可能です。
なお、日本の雇用主から日本の口座にお給料をもらう場合には、基本的に日本で納税の義務が生じます。
クラウドワークスでは、雇用主側で源泉徴収をしてくれる場合もありますが、基本的には働く人それぞれが個人事業主扱いとなります(メルカリとかも同じですね)ので、一定金額以上稼ぐ場合には確定申告をする必要が生じますのでお気を付けください。
他に日本での給与所得がない場合には、基礎控除額38万円までは確定申告が不要のようですので、月3万円くらいまでのお小遣い稼ぎであれば心配しなくて良さそうです。
参考:クラウドワークス 【ワーカー】確定申告について
就労許可がない場合
選択肢1:リモートで日本の仕事をする
現地で就労をすることができなくても、日本の企業から仕事を受注して、日本の銀行口座に給与が振り込まれるのであれば問題ありません。
一つ上の「就労許可がある場合」の選択肢2を読んでみてくださいね。
選択肢2:帰国後に生かせそうな資格・スキルを取得する
数年で日本への帰国が決まっている場合、そして帰国後はまた働こうと思っている場合、比較的時間に余裕のある駐在妻(夫)期間に何か新しいスキルを身に付けるという選択肢もあります。
或いは、せっかくの海外生活を記録に残すという目的も兼ねて、駐在を機会にブログを開設するのもおススメです。
Web系のスクールで、特に女性におすすめなのは、SHElikesです。
現役のブロガーさんやデザイナーさんのレッスンをオンラインで海外からでも受けることができますし、ウェブサイトからもお洒落なデザインが伺えます。
駐在妻(夫)の方に私がおススメするのは、「ライティング入門」「動画編集」のコースです。
というのも、先ほど「クラウドワークス」をご紹介した時にチラッとお話したのですが、リモートで海外からでも在宅で受注できる仕事で現在多いのがこの2つだからです。
特に動画は、まだスキルを持った人が多くないので受注単価が高い印象です。
ライティングに関しては、経験により「文字単価」というものがあるのですが、しっかり勉強していい記事が書ける場合には文字単価を上げていくことができるでしょう。
つまり、受講後、駐在妻(夫)期間中に早速生かせて、受講料の回収がしやすいと考えるため、駐在妻(夫)で新しいことに挑戦したい方には「ライティング入門」「動画編集」のコースをおすすめします。
現在無料体験レッスンを開催されているので、海外からだと時差はありますが、体験レッスンだけでも申し込んでみる価値はあります。
選択肢3:ボランティアに参加する
働きに出ることはできないけど、せっかくの海外生活、家の外に出て現地の人と関わり合いたい!という人も多いでしょう。私もそのタイプです。
その場合には、ボランティアに参加するという手があります。
日本と比べて海外は、NPOやNGO, チャリティ団体でボランティアをすることが一般的です。
私の住むBC州にはVolunteer BCという、ボランティアとボランティアを探している団体を繋ぐプラットフォームがありますし、カナダ全体でも見ても、Volunteer Connectorという同様のプラットフォームがあります。
興味ある活動分野や、貢献できる自分のスキルを元に探すことができます。
英語のコミュニケーションでいける場合は、ご自身のご興味のある分野で探すのもいいですね。
英語に自信がない場合でも、例えば日本語学校のアシスタントや、現地校でも日本語の選択授業がある場合のアシスタントなど、ボランティアを募集している場合がありますので、「Vancouver (お住まいの地域), Japanese, Volunteer」などで検索をかけてみましょう。
私はアメリカ時代に就労許可が降りるまでは、ボランティア2つを掛け持ちしていました!
ひとつは現地中学校の日本語授業で、生徒たちと日本語で話をしたりするチューター役。日本語を勉強したいという子は親ごさんののルーツが日本でいつか行ってみたいんだ、という子だったり、日本文化に興味があったり。私もアニメ・漫画好きだったので楽しかったです。
もうひとつは、現地の動物愛護団体でデータ入力の仕事をお手伝いしていました。資金集め(ファンドレイジング)のイベントなんかもあったり、動物たちの話をFacebookに投稿したり、支援者たちへ送る手紙の封筒入れをしたりしていました。
選択肢4:習い事
経済的な余裕があれば、バレエ・ヨガ・料理教室など趣味の習い事をするというのもおススメです。
駐在妻のヨロコビ・イタミ
ここまで見て来たように、時間に余裕があって自由なようで、制約やしがらみも多い駐在妻の立場。
良く聞く嬉しい楽しい側面と、しんどい側面とをまとめてみました。
楽しいこと
- エンドレスな「新しい体験」
- 近場でも旅行気分
- 現地の人との交流
しんどいこと
- 孤独を感じる
- 駐妻ヒエラルキーに巻き込まれる
- キャリアの心配
- 語学の壁
楽しいこと
エンドレスな「新しい体験」
海外生活は、これまでの日本での生活とは違うところが数えきれないほどあります。
違う言葉、違う家、違う人種、違う食べ物、違う乗り物・・・・・
私のように新しいものにいちいち感激するような人には、毎日が小さな驚きと感動であふれた生活になるでしょう。
海外でスーパーに行くこと、電車に乗ることが特に好き。
近場でも旅行気分
既に海外にいるのですから、住んでいる場所周辺で3ヵ月~6ヵ月は旅行気分を味わえます。
また、車で2~3時間行くと違う都市に行けるところであれば、手軽な旅行でもとても新鮮な景色や食べ物を楽しむことができます。
現地の人との交流
日本は良くも悪くも画一的な社会で、日常生活で交流するのはほぼほぼ日本人、言葉も常識も通じますよね。
海外に出たら、自分が「外国人」です。
現地の人との交流で、駐在地の文化を学んだり、仲良くなって帰国後も交流が続く友人ができたりと、日本国内にいるとできない経験ができるのも、海外駐在の醍醐味の一つです。
しんどいこと
孤独を感じる
駐在妻(夫)生活のしんどいこと、だんとつの1位に来るのは、「孤独感」
これは駐在妻経験者で話していると、必ずと言っていい程出てきます。日本の友人と離れて、一から人間関係を作らなければいけないことがほとんどかと思います。
「ちょっとお茶しよ!」「ランチしよ」と言って1時間でもしゃべり倒すことがどんなに日々のストレス発散になっていたのかとびっくりするほどです。
ストレスを感じているかどうかは、なかなか自分では気付かなかったりもしますが、例えばちょっとしたことで感情が大ブレする(キレる、号泣するなど)の場合には、黄色信号かもしれません。
TwitterやインスタなどのSNS、オンラインでも、オフラインでもいいので何かしらのコミュニティに参加して、意識的に話す(チャットでも)ようにすることをおススメします。
駐妻ヒエラルキーに巻き込まれる
コミュニティと言えば、駐在妻(夫)には渡航前から参加が確定しているものがあるかもしれません。それが、「駐在員家族コミュニティ」です。
つまり、夫(妻)の会社のご家族の皆さんとのお付き合い。これは避けて通れません。
もちろん、これがプラスに働く場合も多々あります。
駐在員の出張の時に助け合ったり、会社のサポート内容などの情報を共有し合ったり。
私自身、現在カナダの駐妻生活では、主人の会社の方の奥様方に大変お世話になっていて、特に子供の学校や習い事のにまつわる悩みを相談させてもらったり、家族ぐるみで遊ばせてもらったりと、恩恵を受けまくっています!
20代の頃の駐妻生活では、主人の職場の方の奥様との交流もあったことはあったのですが、私は子どもがまだいなかったこともあり、駐在員家族以外のコミュニティで主に生活していました。
しかしながら、中にはこれで悩む駐在妻(夫)がいるのもまた事実です。
私の母の時代には、同じ時期にドイツに来ていた日本人ママで、ご主人が某財閥系にお勤めだったのですが、「婦人会」なる奥様会があり、席順は必ずご主人の肩書き順、若手は会場探しや諸々の手配などで大忙し、という感じだったようです・・・・こわい。
面倒なヒエラルキーに巻き込まれないためには、「学校へ行っている」「仕事をしている」などお誘いを断る大義名分があると気が楽だと思います。
帰国後のキャリアの心配
日本でバリバリと働いていて、仕事をやめて海外駐在についてきた、という場合には、「仕事」という自分の生活の柱がないことに戸惑ったり、日本に戻った時に再就職できるかが心配になったりする人も多くいます。
帰国後に再就職したい!という場合には、駐在妻(夫)期間中に積極的にスキルアップをしましょう。元々就いていた仕事、あるいは関連業界に戻りたいというようであれば、学校に通ったり、関連業界での就労ボランティアに挑戦してみることは、帰国時のアピールポイントになります。
これを機に新しい仕事に挑戦してみたい!という場合には、新しいスキルを学ぶチャンスです。
この記事の中盤で紹介しているSHElikesがおすすめですが、興味関心のある分野で、海外からでも参加できるオンラインスクールを探してみましょう!
英語がもっと話せれば・・!
せっかくならば現地のコミュニティに参加したい、と思った場合でも、言語がネックになるという方は結構多いのではないでしょうか。
特に複数人で話すのって、すごく難しいですよね?
冒頭でご紹介した駐在妻専用英会話をおすすめする理由としては、グループレッスンで、駐在妻(夫)が直面しそうな場面を想定してアウトプットができるからです。
今の時代インプットの材料は無料でたくさんあります。
お金をかけるとしたらアウトプットに、そして自分が必要な場面を練習できるものを選ぶべし、ですよ。
私は学生時代留学して英語は日常生活では困らないくらいに使えていたのですが、最初に勤めていた会社で初めて海外出張の商談に自分がメインで行く際には、べ〇リッツに申し込み、実際のプレゼンの練習、質疑応答、ビジネス英会話に特化して学びなおしました。
まとめ
いかがでしたか?駐在妻と言えど、英語や現地語がすぐに上達してバリバリと外に出てキラキラした生活を送っている・・なんていう人は実はほんの一部。
実は孤独感に苛まされる人多数で、安定して楽しいと思えるようになるまでにはかなりの時間と労力が必要です。
しかし一方で、楽しいこともあり、ありがたいことに今の時代はオンラインでも人と繋がれたり、仕事やスキルアップをすることができたりと、自分が動けば駐妻(夫)生活を今よりも充実させることができる可能性は高いです!
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