はじめに:キャリア観が変わる時代
「一億総活躍社会」や「働き方改革」という言葉を聞いたことがありますよね。
この数年で、キャリアの考え方が変わりつつあるのは確かです。
しかし現実はどうでしょうか?
制度上はフレキシブルな働き方が進んでいるとはいえ、実際の職場環境ではその恩恵を十分に享受できないことが多いのではないでしょうか。
そこで注目したいのが、「ゆるキャリ」や「フレキャリ」といった、新しいキャリアスタイルです。この記事では、それぞれのキャリアスタイルについて解説し、特に海外の働き方や転職事情にも触れながら、読者の皆さんが自分に合った働き方を見つけるためのヒントをご提供できたらと思います!
ゆるキャリとは?
「ゆるキャリ」とは、仕事に全てのエネルギーを注ぐのではなく、仕事とプライベートのバランスを大切にしながら無理なくキャリアを築いていく働き方です。
日本では長時間労働が当たり前とされる文化が根強く、「バリキャリ」(バリバリ働くキャリア志向の人)こそ理想とされがちです。
しかし、ゆるキャリはその反対に位置し、仕事以外の時間を豊かに過ごすことを重視します。
なぜゆるキャリが注目されているのか?
多くの人が感じるストレスや過労は、仕事一辺倒のキャリアスタイルが原因となっていることが多いです。その結果、心身の健康を損なったり、プライベートの充実感が欠けてしまうこともあります。
ゆるキャリは、これらの問題を解決する一つの手段です。人生の中で仕事は一部でしかない、という考え方がゆるキャリの根底にあり、これが今の時代にマッチしているのです。
「メンタルヘルス」という言葉を広く聞くようになったのも、身体だけでなく心の健康が注目されているからだね。
ゆるキャリを実現している人々
たとえば、時短勤務を選択したAさんは、16時に退社した後は子供と過ごす時間に充てています。
また、リモートワークで働くBさんは、場所に縛られず、在宅勤務中に家事をしたり、旅行先でも仕事をすることができ、プライベートと仕事の両立を図っています。
これがゆるキャリのよくある一例です。
フレキシブルなキャリア「フレキャリ」の可能性
ゆるキャリに近い概念として、私が個人的に推奨したいのが、「フレキャリ」です。
フレキャリは、フレキシブルなキャリアの略で、私生活の状況に合わせて、働き方や働き先を調整するというものです。例えば、子育てや家族のケアなど、ライフステージに応じて仕事の量や内容を変えながらキャリアを続けることができます。
上のゆるキャリの例だと、子供がある年齢になったらフルタイムでバリバリ働かないといけない、等の規定がある企業が多いですよね?
「それ以外の選択肢がない」と思ってしまいがちだけど、果たしてそうかな?と思います。
反対に、これまで時短勤務をとっていたり、産休育休をとったりで仕事にフルコミットできないと、出世の道から外れたり・・ということもあるよね?
はっきり言ってナンセンス!
なぜフレキャリが重要なのか?
フレキャリが重要とされる理由は、現代の働き方が「集団」よりも「個」を尊重する方向にシフトしているためです。海外では、各個人の人生状況に応じて働き方を柔軟に変えることが一般的です。
また、キリスト教の影響を受けた価値観では、家族やプライベートを優先する姿勢が重視され、「仕事第一主義」は軽蔑されることすらあります。
私は今はカナダの大手企業で働いていて、ディレクター(部長)は「鉄の女」って感じで仕事に妥協を許さないタイプの人なんだけど、病院の予約があったり、子供が早帰りだったり、家族の送迎があるみたいな場合には、「Go! Go get your life run! (早く行って生活回しといで!)」「Family comes absolutely first(家族が絶対に一番)」って言ってくれるよ。
有給ですらなく、勤務時間中に中抜けさせてくれるの。
一方で個々への仕事への期待値は高いんだけど、会社は「能力を持った個人が、確保できる時間の中でその能力を発揮する場」という考え方なんだよね。
海外でのフレキシブルな働き方の実例
例えば、ドイツでは多くの企業が「フレックスタイム」を採用しており、従業員は自分のライフスタイルに合わせて働く時間を自由に選ぶことができます。スウェーデンでは「育休」に関しても非常に寛容で、親が仕事を休んで子育てに専念することが一般的です。これらの国々では、フレキャリが実現されていると言えます。
日本における課題とフレキャリの導入
日本でも一部の企業や外資系企業では、フレキシブルな働き方が導入されつつありますが、まだ多くの企業では「仕事優先」が根強いです。特に裁量労働制やリモートワークを取り入れている企業は先進的で、従業員が自分のペースで働くことを許容していますが、これはまだ限られた企業の話です。
なぜ日本ではフレキャリが浸透しにくいのか?
日本の文化では「仕事をしない=怠けている」という固定観念が強く、フレキシブルな働き方に対する理解が浅いことが原因の一つです。また、長時間労働を美徳とする考え方も、フレキャリの普及を妨げている要因です。
日本での外資系企業の事例
例えば、GoogleやMicrosoftのような外資系企業では、社員一人ひとりの裁量に大きな自由が与えられており、リモートワークやフレックス制度を積極的に取り入れています。これにより、働き方の多様性が確保され、結果として仕事の効率も向上しています。
エッセンシャル思考の重要性
「エッセンシャル思考」とは、必要なことに集中し、重要でないことにはエネルギーを割かないという考え方です。この考え方を取り入れることで、フレキャリの実現がよりスムーズになります。無駄を省くことで、プライベートの時間をより充実させることができ、仕事も効率よく進められるのです。
企業自体がフレックスじゃなくてもフレキャリできる
フレキャリの大きな利点は、私生活とキャリアのバランスを保ち、自分にとって最適な働き方を選べることです。これは、家庭の事情やライフステージの変化に対応できる柔軟さを提供します。特に裁量労働制や「エッセンシャル思考」を取り入れることで、仕事に対して必要最小限のエネルギーを投入し、不要なタスクに時間を費やさない働き方が実現できます。
フレキャリを選ぶメリット
フレキャリは、私生活の変化に柔軟に対応できる働き方であり、今後のキャリア設計において非常に有効です。仕事を中心にするのではなく、人生の一部分として捉え、必要に応じて働き方を変えることが、今後の働き方の主流になるでしょう。特に、日本ではまだこの働き方が浸透していないため、先進的な企業や外資系企業への転職が、一つの選択肢となります。
結論として、「ゆるキャリ」や「フレキャリ」を実践することが、バランスの取れたキャリア形成のために非常に有効です。自分の人生に主導権を持ち、必要なときに必要なだけ働く、この柔軟性を大切にしていきましょう。
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